においは匂いと臭いでは印象が違う。前者は香りが漂うといういい印象がある。
後者は「臭いものに蓋」つまり田舎の香水的な悪い印象がある。
嗅覚の感じ方はそれほどに違う。
いい香りが本能的に好きなことは、大脳辺縁系が本能と感情に関与して匂いが脳を喜ばすからであろう。
介護アロマ講座では必ず介護アロマセラピストというお仕事は、「脳」を喜ばす仕事というお決まりのフレーズを繰り返す。
今月10日は父の日であった。母の日に一か月後、遅れて商魂たくましく父の日ができたという。
衣服についたタバコのにおいはさしずめ「臭い」であろうか。
そんな周りから疎んじられるタバコでさえも、終末期にはタバコに臭いぐらい嗅がせてあげたい。
ヘビースモーカーにとってラべンダーでなくタバコこそが懐かしき臭いかもしれない。
中高年の男性にとって強きイメージはタバコを吸う姿に重なる。
紫煙をくゆらすことが男のロマンであった。
先日、クリントイーストウッドの映画「マディソン郡の橋」のワンシーンで、やたらたばこを吸うシーンがあった。
ちなみにタバコを吸う習慣がない彼にとってもっとも演技力を試されたという。どうりで煙草をくわえる姿がぎこちなかった。
荒野の用心棒でデビューし、ダーティハリーの強きイメージに一昔前はタバコを吸うシーンのが男のステイタスシンボルであった。
タバコ全盛期の懐かしき昭和30年代の映画から、今は受動喫煙問題から、たばこシーンがめっきり消えてしまった。
タバコのにおいにどんな効果があるか?吸わない私には未だに謎である。
たぶん医学的効果弊害以外の何かがあるから、スモーカーが後を絶たないであろう。