鹿児島夏名物「しろくま」
どこにでも夏食べる懐かしい味があるものだ。
名古屋には関東では見かけない「かくふ」という表面がギザギザで刻まれた小麦粉で練ったローカルフードがある。
和からしが豆腐の中に練り込まれた辛子豆腐というものもある。
これも「かくふ」同様、関東では見かけない。
まるでサーティワンのアイスクリーム様に丸くお椀を伏せたような形の豆腐だ。
実家(愛知県尾張一宮)の近くで夏にしかお目見えしなかった豆腐だ。
その昔、食べた辛子豆腐は中京地方発祥の夏の風物詩だったことがちらしで分かった。
その辛子豆腐が川崎の豆腐屋チェーンでも復活した。
8月1日発売に早速、手に入れた。
懐かしい味が舌に広がる。餡のように豆腐の中に辛子が入っているのがいい。
つけて辛子を食べるのとは微妙に違う。
と書くところが、
例の豪雨襲来で急遽、販売中止となって幻の辛子豆腐となってしまった。
その豆腐屋さんも今は跡形もない。
豆腐業界も個人店はつぶれ、大型チェーンしか残っていけない。
ましてや早朝、ラッパを鳴らしながら自転車の荷台にいっぱい乗せた豆腐売りのおじさんも今は見かけない。
あの音が迫ってくると私はボールをもって小銭を用意しておじさんを呼び止めたものだった。
かくふも辛子豆腐も私の舌を通じて郷愁をそそる。
口から入る懐かしさは認知症の人にとってこの上なく良好な刺激ではなかろうか?
その味ばかりでなくラッパの音も今となっては懐かしい。
その懐かしい音色について次回もお楽しみに。