五木寛之の「孤独のすすめ」を読んだ。

嫌老社会から賢老社会を訴える。

老人の存在価値観をアピールしている。

そして老人は未来よりも過去を振り返って回想することが必要という。

未来は死しかないが、過去には豊富な宝が埋まっている。

確かに老人になっても未来を夢を描くより、栄光の過去を

振り返って自信を持つことが大事だと納得する。

 

捨てる文化が今は流行しているが、

老人は捨てない文化を提唱する。

ガラクタも捨てなくていい(モノは回想の憑代)

*モノが回想の糸口

と五木理論は果てしなく捨てない過去のモノにこだわる。

 

学生街の喫茶店というガロのヒット曲があるが、

この世代はタバコはマッチ棒でつけたものだ。

銀幕のスターが煙草をくわえている姿に憧れたものだ。

そして喫茶店には必ずオリジナルのマッチ箱が置いてあった。

今はレストランも喫茶店も全面禁煙が圧倒し、マッチ箱は消え去ってしまった。

しかしマッチ箱から過去の華やかな若き時代を回想し人間不信と自己嫌悪を癒してくれる

と五木氏は認知症改善にもいいと「回想療法」を絶賛する。

今はマッチ箱に変わってスマフォか携帯が回想の源になるのであろうか?

<追記>先週大分出張時にJAL機内誌に浅田次郎が

タオルのコレクションの趣味であることが書かれていた。

やたら家の中にタオルが散在しているそうだ。

そして過去に泊まったホテルのタオルは必ず売店でホテルのタオルを買うのだそうだ。

時々そのタオルを眺めては回想に耽るというのである。

これぞ我らが世代の物に拘り、捨てることなくタオルの思い出に耽る。

そう言われてみると温泉旅館で使うタオルを私自身も捨てきれないで使っているが

回想にふけている暇はない。しかし大分では昔のロック盛んな時代物のLPレコードには

タイムスリップせざるをなかった。

どうやら私にはタオルよりもLPレコードの方が昔を懐かしむにふさわしい。

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