先日、春雨の降る中、羽田より地方の空港に降り立った時、キャビンアテンダントのアナウンスが流れた。
「しめやかに潤いの春雨に大地が包まれています。
お足元にお気をつけて旅先でのひとときをお過ごしください」
この何とも味わいのあるアナウンスに大和言葉が生かされているのに気がついた。
「しめやか」という言葉が咄嗟に出たとしたら相当の言葉の達人であろう。
その言葉の奥妙さにろうたけたCAの気品が漂ってくるではないか。
日本人にして今や会話の中で大和言葉が自然に出るというのは、相当話術以上に言葉を使いこなしていることが推察される。
介護現場は人生豊かな高齢者が多いので大和言葉がもしスタッフがさりげなく使いこなしていたら、きっとおもはゆい印象で若いスタッフを快く迎え入れられるのではないか。
介護現場ではジェネレーションギャップと言われるほどの年齢差が利用者と介護職員の間に歴然としてあるだけに、大和言葉の会話を通じて年齢差という壁を越えて信頼関係が結ばれるとしたらケアの前のケアではないでしょうか?
身体介助術だけでなく、言葉磨きにも一層励んでほしい。