体験談その2)普段は寝たきりのお客様が、彼女が訪問する時には必ず頑張って起てしまうという。
普段はとても起きる体力も気力もないが、火事場の馬鹿力というのでしょうか。
家族がいうには、彼女が来る時だけはシャキッとするそうです。
彼女の訪問を心待ちにしている様子が目に浮かぶ。
心が満たされ脳が喜ばせる行為は、体力も気力も一時的に回復を図り、
元気が取り戻すのであろうか?
毎日の生活の中で、脳を喜ばせ生きている実感を味わせる事こそ、
真のおもてなしサービスではないかと思う。
体験談その3)パーキンソンで振るえが止まらないお客様にハサミが果たして入れられるであろうか
心配してカットに入ろうとした時、何と振るえがその時だけは止まってしまった。
彼女自身はおろかそれを見た周りの人たちもびっくりした。
不随意(無意識)の運動と言われるパーキンソンの運動障害は、
原因は不明であるが中枢神経である脳が何らかの神経伝達を阻害されていると考えられる。
脳に心地よい報酬を受けた見返りとして、不随意運動である振るえが一時的にもおさまったのではないか。
きっと彼女の為す手で梳く髪への柔らかく温かく心地よい触覚刺激であるタッチが、
本人のふるえを止めたのではないであろうか?
~最後の真のサービスを求めて~
本人が認知症になると金銭管理問題がある。
本人が希望するトリートメント(カラーやパーマ)に費用をかけたくないために、
金銭を預かっている身内や家族がお金を払おうとしない。
先々の経済的不安を考えてのことであるが、本人のお金であるので本来は、
本人が希望することを満たすことにお金を使うことに何の問題があろうか?
残念ながら実際には希望が実現されないまま失意のうちに亡くなる。それが現実である。
介護保険サービスがただ生きるための最低保証では心は満たされない。
生きている限り、夢と希望を少しでも実現し、生きる目標を見失わないことこそ真のサービスではないかと思う。
介護アロマセラピストは介護保険では満たされない真のサ-ビスを求めて、これからの時代、求められると確信している。