伊豆半島の先端、爪木崎の水仙の便りが届いた。
小正月から旧正月にかけてまだ空っ風が吹く関東地方には春が無縁の季節にも伊豆の先端では陽光を浴びて春の香りを運んでくれる水仙の花々は人の心を和ませてくれる。
厳しい冬が終わって春の兆しの希望をもたらす水仙の香りは何とも人を勇気づけたに違いない。
残念ながら、歩留まりが悪いせいか水仙の精油はない。
しかし生花から放つ水仙の甘い香りは冬ごもりしてきた人々の心を一気に春を呼び込む。
特に北国の春を待ちわびる気持ちはなお一層強いものがあるだろう。
各地でそんな春を告げる草花の香りがあるとしたら、そんな背景を知って要介護の高齢者に希望の春を告げる香りを届けるのも心の栄養になるであろう。
だから、ナラティブ・メディスンはこの上なく、介護アロマにとっては重要視してお年寄りに耳を傾けたい。
※注釈「ナラティブ・メディスン」とは
病の物語を認識し、吸収し、解釈し、それに心動かされて行動する「物語能力」を用いて実践される医療。内科医、文学博士、倫理学者であるリタ・シャロンらによってコロンビア大学に創立された医療者のための全く新しい教育法。著書:ナラティブ・メディスンの原理と実践
そして2月は梅の漂う香りが、3月には沈丁花と季節を告げる香りは高齢者にとって最高の嗅覚刺激となる。
だから嗅覚を衰えさせないよう外出支援で季節の香りに触れる機会を設け、香りの漂う芳香療法を日々取り入れたい。