認知症の疑いがあって病院に行くと、まず認知機能検査というテストをする。直近の出来事を記憶する力をみるものです。
実際に健康な人でも若い人でも認知症とは無縁な健常者でも「物忘れ」俗に「ど忘れ」はあるものです。ただその物忘れが日常生活に支障を来さないだけだ。
これが日常生活に支障を来すようになるとただ単に物忘れでは片づけられない。
たとえば最寄駅から自宅まで帰れない。などは典型的な例である。例の若年性認知症を取り扱った映画「オレンジランプ」でもその場面があった。
軽度認知障害というMCIで見つけられることは、まだまだ少ないのが現状である。
当の本人が認知症の始まりであることを認めたくないという心理であろう。どうしても診断が遅れてしまいがちだ。
私の近くの病院でも「物忘れ外来」という認知症の初期かどうかの診察窓口があるのだが、実際には本人を連れて行く口実を作らないと、なかなか病院には足を向けてくれない。そこで認知症とは言わずに違う理由を作ってします。嘘も方便という奴だ。
そこの病院では認知症の機能テストに嗅覚テストという検査がある。そこで「嗅覚が鈍ると焦げ臭かったりしても分かりにくいから火事にもつながり、一人で留守している時に危険だから、病院で嗅覚の匂いの検査しましょう」といって病院に誘い出しました。
まんまと作戦大当たりでした。
嗅覚に異常がないと俄然、それだけ聞いて安心して自信を持ちました。自信を持ったうえで更に例の物忘れテストをするのです。何の抵抗もありませんでした。
ひとつの例ですが対応方法で態度が変わるものです。いわば認知症のトリセツですね。
次回は認知症その3)最終回です。
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