お年寄りに言葉のかけ方がわからず、躊躇している若い介護職員がいる。
もっともの事だと思う。齢の差が言葉かけにも臆病になる。外人いや宇宙人に声をかけるぐらいの度胸がないと、高齢の上に認知症があれば言葉かけなどできないであろうと同情する。
ケアマネ研修で以前「ミッケルアート」という昔の風景を思い出すような絵本を見せ話しかけのきっかけにするという学習をしたが、お年寄りの過去の人生を知らない若者には癒しの手やアロマのほうが暗黙の内にアプローチできると思った。
しかし、癒しの手そしてアロマの香りを提供する前に、信頼関係がないとすべてそれらも机上の空論に過ぎない。その信頼関係作りに一苦労する。
みんな若者はそこが知りたい。なかなか一筋縄では答えが出てこない。
この本には言葉かけをテーマに持論を展開している。
言葉かけのヒントにはなる。
つもり病・無精病・こもり病・凝り病と認知症の側面を表した病名がつけられる。
記憶の壺をたとえに、認知症は引き算の世界に住むと著者は主張する。
引き算を使った言葉かけを展開する。
おどかさない・追い詰めない・おびえさせないが認知症の人と関わるときの三原則だそうだ
その極意は「負けるが勝ち」の精神で相手に花をもたらす、役割演技をすることに徹する。
人間的成長を求めるために苦労する分、若者にとっても介護職は必要と思う。