誰にでも懐かしい風景がある。故郷の里山や山並みからもしれない。
また海辺に育った人は海の波打ち際で戯れているシーンが親しみがわく。
私は木曽川という大きな川の傍で育ったので、今でも自宅近くの多摩川沿いを歩くのが心休まる。
先日、その多摩川の河口近くの羽田に足を延ばした。川と海が入り混じった汽水域には独特の植物や魚が生存している。
空港ができる前の昭和30年頃にはこの土地も国際空港として以前の小さな漁村が様変わりした。
穴守稲荷の居酒屋のご主人からも当時の様子を聞くことができた。
今では江戸前の海の幸の漁業権も放棄し、漁業を営んでいるプロは居なくなって久しいという。
使い古した木の温もりのカウンターに鎮座すると妙に落ち着く。
居酒屋チェーンにはないご主人の頑固さが懐かしい。そんな団塊世代直前のご主人との会話を楽しむのも我ら団塊の世代。
青森市内で見つけた昔懐かしきリヤカー屋台のアイスクリーム屋。
介護保険適応世代には昔の羽田がきっと懐かしい風景として目に浮かぶことであろう。
銀幕スターが活躍した映画が娯楽だった時代には時折見かけるポスターが如何にも昭和の香りがする。
先日、青森に赴いたときに「津軽の味~食堂部」という昭和の時代の申し子みたいな田舎の食堂に寄ってみた。
6年前に閉鎖したこのお店が有志によって復活したという記事を見て立ち寄った。
目から入る風景が認知症の予防になることは間違いない。
私自身がとても昭和の懐かしのシーンを見るにつけ居場所が見つかってホッとする。
介護施設で取り入れられている「ミッケルアート」は、まさに昭和の香りのするシーンを再現する絵画療法と言えよう。
それに香りがコラボレーションすればさらに効果は倍増?するかもしれない。