高島礼子演じる女性納棺師の映画は、以前「おくりびと」という男性納棺師役の本木雅弘とつい比較してしまった。
あれから10年。世の中は多死社会に突入し、いよいよ25年を迎え死を当たり前のように誰もが経験する時代となった。
4月からの介護保険改正においても看取り加算は生き残りをかける介護施設においても重要視したい。
病院でなく施設自宅で看取る時代が異常でなく普通になってきた。
看取り士や納棺師≪復元士≫の存在も10年前は思いもよらなかったが、職業として確立しつつあるという事だ。
この映画によってますますその機運が高まることは必至であろう。
誰もが死を迎えることが確実なのに、それを向き合おうとしない現実に、この映画は死と向き合う事の意味を見出すきっかけになればいい。
出会いがあれば別れがある。
人生の誕生と死は一体であり、生まれる者は死に逝くことを運命づけられている。
積極的に死を考えることは生を全うすることだと思う。
死が忌み嫌うこれまでの日本の風潮を払拭するに、日頃から馴染んでいくプロセスが介護のあり方にも必要とされる。
私の開催している「介護アロマ」は手の触れ方を通じて、そのことに目覚めさすきっかけにしたい。
テクニックの取得以上に死を受け止め、死を考える上でこの講座はチャンスとしてほしい。
24日には有楽町スバル座での舞台挨拶に主演主役のお二人と監督が登壇して和やかに初日を飾った。