私が毎週楽しみにしている番組に日曜朝に放映されているNHKの「小さな旅」がある。

出張先のホテルで見ることも多い。

大野雄二の音楽が心地よい昔に戻って懐かしき風景が脳裏を掠める。

 

先日は琵琶湖を見下ろす伊吹山(標高1377M)が舞台となった。古事記に

倭建命が山の神の退治に登ったとされる伊吹山。

幼少時に一度だけ家族と眠い思いをして一緒に登ったことのある懐かしき山で、新幹線からもよく見える。

冬場だと雪の難所で関が原の先でその主峰を現す。

夏場は昔から漢方薬の材料になる植物の宝庫として

またお灸のもぐさの産地として平安時代から知られている。

 

その伊吹山の登山道の途中でカメラを構えている中年男性にアナウンサーが声をかける。

人懐っこい男性は、年に何回も伊吹山に来て花を撮り続けているということである。

中でもキンバイソウは上向きに咲いている目も鮮やかな黄色で元気をもらうのだという。

キンバイソウ

 

その元気を麓のお年寄りや寝たきりになった高齢者にお裾分けしているのだという。

何とその男性は地域医療をしているお医者さんでした。

こんな徳の高い心優しき先生との出会いは病む人々にとって最高の財産だ。

今は登れなくなった伊吹山の花々の写真を見せてあげると、幼少時から見てきた

花々が勇気を与えてくれると言って涙を流しながら写真をじっと見続けるという。

何よりの薬であると男性を言う。

そんな心優しいお医者さんが近くにいたら在宅医療ももっと広がると思う。

そして住み慣れた自宅で最期まで地元で人生を終える。

 

介護アロマは嗅覚だけでなく、視覚に訴えるこれら懐かしい花々の精気が

元気を与える自然の薬であることを痛感した。

 

ユウスゲ(夕暮れになると黄色の花が開花する)

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