正月のお屠蘇気分からも脱して小正月(1月15日)頃になると、そのけじめをつけるための行事が火祭り(どんど焼)である。
松飾りやしめ縄を燃やして、そのあと団子や餅を焼いて健康を祈るのであるが、この時に燃やす松や竹や木くずの匂いがたまらなく郷愁を感じる高齢者も多いと思う。
私の場合は冬の登校前にどこの家の前でもたき火があり、友達が来るまでたき火で暖を取って待っていたものだ。
たき火を管理するのは大人であることが多かったが、今はそんな風習もなくなってたき火は危ないのか都会ではめったに出くわすことが無くなってしまった。
当時は暖房器具は掘りごたつか火鉢ぐらいであったから、たき火の暖はとても貴重な暖房器具に代わるものであった。
たき火になる木材から匂う香りは一生忘れられないものだ。
いわゆる大脳辺縁系に焼き付いているのだろう。
たき火にほうり込むサツマイモや団子などから出る嗅覚への匂いは当時、食が十分でなかった子供の腹にはたまらなかったことであろう。
匂いだけでも唾液が出て、唾液腺を刺激するのに好都合でないかと要介護者への刺激にならないものかと思案する。
こういう冬の街角での風俗が復活することは近隣のネットワークや近所付き合いが自然にできることで
高齢社会や子供社会に明るい兆しをもたらすことになるとも思うのだが・・・・・・・・