河北義則氏の「一流の眼力」の養い方というベストセラー本。
お客の気持ちを見誤るか、見定めるか、の項目にビジネスにおいて接客業だけに通じるものではないと思った。
介護業界も人を相手にする仕事であるがゆえに、もっとこの視点を欠いてはならないと痛感。
介護の対象が高齢者を相手にそれも何らかで他人の手を借りないと生きていけない、生活ができない人々を対象にするから、ましては認知症の無理解がそういう不謹慎な態度を取ることになることは想像される。
この本での事例は、立川談志師匠の「何やってんの?まだ飲むんだから」の一言ぐさりと師匠らしい辛らつな言葉を浴びせかける。
しかし、受け止めるホステスが打てば響かない存在としたらこれもただの嫌がらせとしか響かないであろう。
自分のペースに関わらず注いで平気であると勘違いしている人がいる。
人にやさしく気遣ってほしいと。店のマニュアルで教育されたホステスには微妙な空気とその相手の表情をつぶさに観察する余裕などさらさらないのだ。
介護現場にも通じる話である。
せめて眼力に自信がない場合はそっと黙って「癒しの手」を差し伸べることが、暗黙のおもてなしとなろう。
眼力ならぬ手の力をこの際、発揮すべきだ。
「癒しの手」で介護現場におもてなしのマインドを届け、高齢者に心の潤いをもたらすことを今後も目指したい。
そんなサービスはフォーマルにもインフォーマルにもない心から相手を敬う自然に接する基本である。
サービスの原点は相手への思いやりから始まることを再度、認識すべきだ。